「不良発見!」
ふいに聞こえた声に、ギクリとする。
「…脅かすなよ。」
恐る恐る振り返った視線の先、立って居たのは国信だった。
俺の反応に微笑みを濃くしながら、こちらに歩み寄ってくる。
隣に立つと、慣れた手付きでライターを操り煙草に火をつける。
「人に言えた立場かよ?」
「良いんだよ、俺は。三村と違って運動部じゃないし。体力落ちてへばるぞ、スポーツマン。」
「んなマネするかよ。授業は?」
「自主休講ー。」
「お前も充分不良だろーが、授業サボって優等生が。」
「その辺は、お互い様ってコトで。吸殻、その辺に捨てるなよ。バレるから。」
「そこまでアホなコトしないっつーの。」
「の割には何も持ってないし。携帯灰皿くらい持ち歩けって。」
「あー、今日はウッカリしてたんだって。」
「ダメダメだね。」
「どうせ俺が吸ってたってコトまでは、バレないだろ。」
まあね、と相槌を打ちながら差し出された灰皿に煙草を押し付けた。
「もうスグ授業終るな。」
「そうだね、そろそろ教室戻ろうかな。」
「次何だったっけか?」
「確か…、国語?」
「国語かー…、次もサボろうかな…。」
「別に良いけど、テストで泣きを見ても知らないよ。」
「それは勘弁…って、何食ってんだ?」
「飴。一応ほら、匂い消し?」
「服にもついてんだから、あんま意味無ぇンじゃね。」
「まあ気休め程度?」
言って笑う国信の身体を引き寄せ、その唇を塞ぐ。
「…っん。」
口腔に舌を絡め貪るよう犯し、吸い上げ唇を離すと銀糸が伝う。
「にがい。」
それを拭う様に、国信の手が俺の唇に触れ。
目を細め言葉を零す。
国信の口から先ほど奪い取ったミント味の飴と、煙草の味が口内に広がった。
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