「国信って、いつも笑顔だけど…。」
「うん、俺、慶時の笑顔大好き!」
「……まあ、それは置いといて。怒るコトなんて、あるのか?」
「うーん…。一緒に暮らして長いけど、あんま見たコトないかなぁ。」
「喧嘩とかも、しないのか?」
「うん、しない。…あ、でもさ。喧嘩といえば…。」
「何だ?」
「慶時とじゃないんだけど、小学校の3,4年の頃かな? よく喧嘩とかしてさ。」
「へえ…。」
「喧嘩っていうか、施設暮らしのコトで、突っかかられたっていうか。まあ、よく怪我してさ。」
「…そうなのか?」
「うん。で、慶時が怪我の手当してくれて。」
「そういう所は、昔から変わらないんだな。」
「あんまり無茶するな、って窘められてさ。けど、俺だけが悪いわけじゃないだろ?」
「まあ、そうだな。」
「だろ? だから、向こうも悪いって愚痴愚痴言ったんだ。けど、喧嘩は良い物じゃないから、仲直りしなよって…。」
「国信らしいな、それで?」
「俺としては、頭にキテたけど、慶時にそう言われるとさぁ。」
「謝りに行ったのか?」
「ううん。」
「行かなかったのか?」
「うん。渋々だったけど、一応、俺も悪かったし謝ろうとは思ったんだけど。次の日、相手の方から謝りに来た。」
「へー…。相手からふっかけてきた癖に、なんか珍しいな。」
「でもさ、謝りにきた奴ら、揃って皆、俺と喧嘩した時より怪我が増えてる感じがしてさ。」
「ふーん。」
「気の所為かもしれないけどさぁ。で、向こうが謝ってきたんだし、俺も悪かったなって。」
「それで、お互い仲直りしたと。」
「そう。それで、慶時が良かったねって言ってきて。そしたらそいつ等、急に顔色悪くなって、慌てて走り去っちゃってさ。」
「…それって。」
「何度か似たようなコトがあって、暫くしたら、突っかかられるコトもなくなったんだー。」
「…。」
「世の中、不思議なコトって、たくさんあるよな!」
「……。」
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