メール
7+19+女子の誰か(…



この間席替えで三村くんと、国信くんの席と近くなった。
以外と二人は仲が良くて、ちょっと吃驚したというのが正直な所だったりする。
七原くんと親しげに話してる姿は見掛けたりするけど、
あの二人だけでそういった姿を見掛けたコトは殆ど無かったから。
というのも理由の1つかもしれないけれど。
とりあえず三村くん達の会話には、七原くんを始めとする他の仲が良いメンバーの話題が上がったり。
色々と面白い。
盗み聞き、と言うと聞こえが悪いけれど。
否、聞こえる範囲に居るだけであって、他意はないってコトで。
あ、どうやらまた二人が話しをするみたいだから。また少し耳を傾けてみたいと思います。

「そう言えば昨日、何でメール返信してくれなかったんだよ?」
「は? …ああ。何処の迷惑メールかと思って。」
「オイオイ、俺の愛が篭ったメールに酷い言い様だな。」
「ははははは、熨斗付けて返すよ。じゃなくて、何だよあの絵文字濫用メールは。」
「アレな、郁美に前『お兄ちゃんのメール、つまらない!』って言われたからさ。
 ちょっと倣ってみた。」
「ああ、郁美ちゃんに言われたらしょうがないよねー…。って、オイ。
 だからって、何で俺の所に送って来るんだよ。」
「お前以外に送れる相手なんか、居ないだろ?」
「否、俺なんかより適任がいる! 例えばー…、杉村とか杉村とか杉村。」
「杉村ばっかかよ。」
「だってほら、1番反応が楽しそうだし。」
「まあ、確かになー。でも普通に絵文字使って返信してきたりな。」
「有り得なくは無いよね。メールになると、普段と変わる人っているから。」
「絵文字濫用杉村かー…。」
「…。」
「…。」
「…ちょっと、引くね。」
「…かなり、な。
 …それは兎も角、どちかっつーと全文無変換の平仮名メール、返信激遅って方があってるよな。」
「ああ、そっちの方が確かにしっくりくるかも。」
「どちらにしろ、杉村携帯持ってないから確認のしようも無いけどな。」
「まあね。」

『ええッ?!』

つまらなそうに、いっそ溜息を吐きながらそう締め括った二人に。
思わず声が零れそうになるのを必死に耐える。
メール返信話しから、あそこまで発展して色々言われる杉村くんって………。
何て言うか杉村くんは、表情の起伏があまりなくて、漠然と怖いイメージを今まで持っていたけれど。
実はいじられキャラだったんだなと。新たな認識を杉村くんに対して持った。